流体力学(前編)を読む 第22回
本書 第34項 二次元翼理論
・はじめに
前回は平板翼を考えましたが、今回はそれを少し丸めて円弧翼、さらには任意の翼型について考えてみたいと思います。そして一般的な翼の上半面がなぜ膨らんだ形をしているのか、その理由を知ることで等時間通過説のような揚力の通説が間違っているという確信を得ることになります。
流体力学(前編)を読む 第21回
本書 第33項 ジューコフスキー変換
・はじめに
前回は等角写像を簡単にご紹介しました。今回はその本領発揮ということでジューコフスキー変換を学びます。簡単に言うとこれは円柱を平板に写像する関数です。つまり平板に沿って流体が流れたときの様子を知ることができるようになります。そして平板とはほぼ翼のことを指します。なので今回の記事ではいよいよ翼のまわりに生じている流体の動きを細かく見ることができるようになるわけです。そしてとうとう揚力が発生する原理を解明するという当初の疑問にひとまずは一定の解釈を得られることになります。霧がきれいに晴れるような爽快感はありませんが、揚力に関する重要な結論に触れてみましょう。